戦後最悪の自然災害となった東日本大震災から本日で13年が経過しました。
関連死を含む死者、行方不明者は合わせて2万2222人であり、現在でも復興には程遠い状況である。
また、福島第一原発事故の影響により、現在でも3万人弱の避難者が地元に帰れていない状況である。
今年の1月には能登半島地震もあり、日本が地震大国であることを改めて知らされる形となったが、少しでも早い復旧を願うばかりである。
そして、東日本大震災では、沖縄県にも被害が及んでいたことをご存じだろうか。
本記事では、東日本大震災の沖縄県への影響と、沖縄の過去の地震とこれからの地震対策について考えていきたい。
東日本大震災による沖縄県への影響
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、沖縄県の宮古島でも津波警報が発出されました。
地震発生から約4時間後に宮古島の平良港で65cmの津波が観測され、収穫の最盛期を迎えていた養殖モズクが流されるなどし、約3600万円の被害がでたのである。
震源地から離れていたことと、速報ニュースで東日本の甚大な被害を目の当たりにしていたからこそ、人的な被害はなかったが、漁師にとっては甚大な被害であったことに間違いない。
沖縄県の過去の地震被害
沖縄県で過去最大の被害を及ぼした地震は1771年4月24日に石垣島近海で発生したマグニチュード7.4の地震である。
この地震では津波被害が甚大であり「明和の大津波」として知られ、八重山、宮古地域で死者約1万2千人、家屋流失約2千棟余の被害があったとされている。
この津波の最大遡上高は30mに達しており、多良間島から宮古島南部海岸にかけては10mの津波が発生したとされている。
また、津波に関しては、沖縄県から遠く離れた場所で発生した地震による被害を受けることもある。
1960年5月のチリ地震津波では、約1日かけて沖縄地方に到達し、羽地村(現在は名護市)で3名の方が命を落としている。
直近の大きな地震は、2010年2月に発生した那覇市の東約50㎞付近でマグニチュード7.2の地震であり、糸満市で震度5弱を観測している。
この地震で世界遺産に登録されているうるま市にある勝連城跡が一部崩れ落ちたり、民家の屋根が崩れるなどの被害が出ている。
沖縄県の特徴と地震
沖縄県では日本の中では地震の被害が少ないイメージではないでしょうか。
しかし、震度1以上の地震発生回数は日本の中でも多い方に該当します。
思っている以上に沖縄県は地震が発生する地域です。
過去の沖縄県の地震を見てみると、津波による被害が多いものの、建物自体の被害はそこまで受けていないという事実があります。
それは、沖縄県の特徴によるものの可能性があります。
沖縄県は琉球石灰岩と呼ばれるサンゴ礁が固まってできた岩や台地が多く、日本でトップの地盤の強さを誇っています。
地震の影響は地盤が緩い地域ほど振動が増幅され、被害が大きくなる傾向にあります。
地盤が強いという特徴を持つ沖縄県はこういった点で地震の被害が抑えられている可能性があります。
しかし、沖縄県は多数の島から構成されているため、津波の被害を受ける可能性が高くなります。
沖縄県で地震が起きなくても、津波が沖縄県に到達する可能性は今後もあるでしょう。
沖縄県が今後の最大級の地震と津波を想定
沖縄県は東日本大震災を受け、2013年に津波浸水想定図を公表し、2015年に新たなデータに基づく想定図を公開している。
県内で発生する最大級の津波を想定しており、浸水の区域や水深を予想したものである。
公表によると、最大浸水深は34.7mに達し、浸水深1m以上となる面積は240.2㎢で県面積の10.5%に広がると試算されている。
予想される最大浸水深は、石垣市で34.7m、竹富町で34.6m、宮古島市で27.0m、与那国町で23.1mと先島で高い傾向となっている。
沖縄本島では東村で21.6m、名護市で21.2mとなっている。
浸水深1㎝以上の浸水面積は289.9㎢で県面積の12.7%に当たる。1㎝以上の浸水面積も先島が広く、石垣市で49.6㎢、竹富町で42.3㎢、宮古島市で38.9㎢と予想されている。
一方、地震の震源地が想定と異なる場合や、悪条件が重なる場合は、遡上高が高くなったり、浸水区域以外でも浸水する可能性があるとしている。
我々市民は各市町村のハザードマップや自治会の防災マップなどをもとに、各自で避難計画を考える必要があるだろう。
地震発生時にしてはいけないこと
地震発生時はパニックになり、冷静な判断が出来なくなる可能性があります。
パニックになり間違った行動をしてしまうと、火災などの二次災害を起こす可能性があります。
地震が発生しても間違った行動をしないために以下に挙げるNG行動を覚えておきましょう。
帰宅後すぐに電気をつける
地震発生後はガス漏れしている可能性があります。
電気をつけるためにスイッチを押すと電気が流れます。
その際に火災や爆発が起こる可能性があるので、帰宅後は窓を開けて換気をするようにしましょう。
ブレーカーを上げたままにしておく
大規模な地震発生直後は停電が発生することがあります。
その際、ブレーカーを上げたままにしておくと通電火災を起こす可能性があります。
通電火災とは、停電から復旧したときに電化製品が再稼働し出火する火災の事です。
地震により、電化製品が損傷していたり、可燃物が接触した状態で通電すると火災の可能性があるので注意が必要です。
部屋の中を裸足で歩く
地震発生直後は、窓ガラスが割れていたり、家具、家電が転倒している可能性があります。
夜間に地震が発生し、停電していると暗闇で自分の家でさえどんな危険が潜んでいるか分かりません。
ガラスを踏んだり転倒してしまう可能性もあるので、自分の家であっても裸足で歩くのは危険です。
寝室にスリッパを置くなどして地震時でも落ち着いて行動しましょう。
火をつける
先ほども言いましたが、地震発生時にはガス漏れしている可能性があります。
停電時に明かりを灯すために火をつけるのはガス爆発などの二次災害を招く危険性があります。
懐中電灯を置いておくなどの対策をして、火は絶対に使わないようにしましょう。
エレベーターを使う
地震発生後はいつ停電になるか分かりません。
また、余震が来る可能性も高いのでエレベーターに乗ってしまうと急な停電により閉じ込められてしまう可能性があります。
マンションや高層ビルで地震に遭った時は必ず階段で避難しましょう。
車で避難する
地震が発生し津波から避難するために車を使う人が多くいます。
津波から避難するということは一斉に皆が同じ場所に向かうということです。
必ず渋滞が発生し、逆に非難が遅れてしまいます。
また、緊急車両の通行の妨げになってしまうので、車は使わずに徒歩で行ける避難場所に避難しましょう。
さいごに
大規模な地震は必ず来ます。
どこの地域に来るかはわかりませんが、日本は地震が必ず来ると思って生活するべきだと思います。
また、地域によっても地震による被害の差があるので、今一度自分が住んでいる場所の地盤やハザードマップの確認をしてください。
そして家族とは避難場所を決め、連絡が取れなくても家族が集まれるように話し合いをしておく必要があります。
地震が起きても誰も助けてくれない可能性もあります。
大規模な地震であれば、消防、警察、自衛隊といった公助は間違いなく機能しなくなります。
忘れてはいけないのは、消防や警察の方もみな被災者であるということです。
まずは自分自身の身は自分で守ること。
そして近所の方たちと助け合い被害者を少しでも少なくする必要があります。
そして、地震への備えをすることで大事な人を守ることができます。
3月11日は東日本で大震災があり、13年経過した今、あの大災害を忘れかけている人も少なくはないのではないでしょうか。
今一度自分自身の身の回りの地震対策を見つめなおす機会としてこれからの地震の皆で立ち向かっていきましょう。
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